2022.09.01

NSKマイクロプレシジョン株式会社

代表取締役 石井俊和

NSKマイクロプレシジョン株式会社

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

弊社は私の祖父が創業した会社で、父が2代目、私が3代目の代表となります。私は幼い頃からそれとなく事業継承についての話も聞いていた他、社員達が自宅で会食を開くことも多く、会社の雰囲気を肌身で感じながら育ちました。そして2000年、親会社であるNSKに入社し、約6年間経理を中心に勉強させて頂いた後、弊社へ参加しました。その後は経理を中心に行いながら、これまで携わることのなかった生産や経営についても先代社長である父と共に取り組み、2015年に社長の座に就任させて頂いたという流れです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

弊社の企業理念は「小さなものづくりを通じて、社会との共生・発展を目指す」であり、その上では、ものづくりにいかに高い技術を込められるかが事業の最も重要なポイントになります。また、弊社の主力商品の1つであるベアリングは、機械の摩擦を軽減するための部品であり、ひいては設備の省エネ化、環境問題への配慮にも繋がるものです。

このような商品の生産によって社会に寄与できるという点は、昨今のSDGsの考え方ともフィットする部分がおおいにあるのではないかと思います。したがって、生産や販売に関わる数字は当然重要でありますが、それよりも、いかに安全で高品質なものづくりを行いながら社会と共に共生・発展していけるかという点は、常日頃から意識しているところです。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

「幸福」という言葉から連想されたことは、主に2つあります。
1つ目は私個人の幸福です。私自身は、余暇の時間をゆったりと過ごしているときや、たとえば読書をしているときなど、精神的な充実感を得られているときに幸せを感じます。2つ目は家族や友人、社員、お客様など、周囲の人々の幸福です。周囲の人が満たされた状態にあれば、私も幸福を感じます。

しかしこれが誰か1人でも傷ついたり、怪我をしたりすればとても幸せとは思えないはずです。
たとえば、社員の1人が怪我をしてしまえば、本人はもちろん、そのご家族も、私を含めた他の社員も悲しい気持ちになることでしょう。そう考えると、人の幸福は波及するものであり、すなわち自身に関わる人がいかに幸せであるかという点も、個人の幸福度に大きく影響をもたらすものなのだと思います。

Q

今後の目標について教えてください。

弊社の社風には元来、昭和の家族経営的な雰囲気があり、業務外においても密なコミュニケーションを取れていたことは、社員のモチベーションアップや会社と社員の結び付きの強化にも大きく寄与していたと思います。しかしテレワークを目下実施中である現状では、皆がただただ業務に従事するしかなく、社員同士の様子や変化がなかなか掴めない、会社としての一体感を得づらいといったこれまでにないハードルを感じています。

今後も業務効率化や働き方改革を推進していかなければいけない一方で、人と人との繋がりをどのように保っていくのか、今後はその点を見極めながら、弊社なりのニュー・ノーマルを追及していく必要があると考えています。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

閉塞感が漂う近年ですが、若い世代の方に関しては常に何かしらのチャレンジをして頂きたいと思います。もし何かにトライして失敗してしまったとしても、それは「こうすると駄目なんだ」という学びを得られる貴重な経験となりますし、それはやはり挑戦をしなければわからないことです。

また、そのようにチャレンジを行いながら、積極的に本を読んでもらうのもいいかもしれません。本には、チャレンジをした人、成功をした人、失敗をしてしまった人など、さまざまな人の人生や知見がたくさん詰まっています。読書を通じてインプットをしながら、同時にアウトプットすることを心がける。この両輪で進んでいくことができれば、公私ともにより充実した日々が過ごせるのはないかと思います。