
現在の仕事に就いた経緯を教えてください。
大学卒業後はどこかに就職するつもりでいましたが、ときは就職難の時代。企業訪問先の担当者からも「家業があるのならそこへ入ったほうがいい」と言われるほどでした。せめて取引先に就職できないかと先代である父に相談したところ、いずれ辞めるくらいならば最初からうちに入ってはどうかと言われ、角南被服への入社を決めた次第です。
入社後は常務という役職に就いたものの、約10年をかけてひととおり現場のことを経験し、設備関係に疎い父に代わって、作業効率性が向上するような設備投資も行ってきました。父の死を機に代表取締役に就任したのは、私が38歳のときです。
その翌年にバブルがはじけたことで仕事が激減し、初めて10人以上の社員を解雇するなど辛い時期を過ごし、その後、リーマンショックを経て、海外向けの仕事を受注できたことで事態は好転していきました。
毎年閑散期であった10月に海外の仕事を入れることによって、年間スケジュールがくまなく埋まるようになったのです。そして現在のコロナ禍に至りましたが、数々の経験を活かしてなんとか利益を上げ続けることができています。