2022.07.01

神楽フィースト株式会社

代表取締役  岩永満宏

神楽フィースト株式会社

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

2007年12月設立の神楽フィースト株式会社は、当初、ガソリンと水の混合試験を行うゼロエナジ―インスティテュートというエネルギー研究機関でございました。また、私ども本業のシステム関係のお仕事がありまして、港湾業界に携わっていた事もあり、貿易の事業をやっておりました。そこであるお客様から引き合いがあり、「ワインの酸化を抑制する何かを考えて中国で作ってくれないだろうか」というご要望をいただいて、現在の神楽デキャンタの元になるものを作ろうと中国に渡ったのが最初でございます。

最初の一年間、中国で30社ほど話し合いをさせていただいて、3社腕のあるところと試作を行いました。試行錯誤しながら現在の原型を作っていったのですが、中国では製品の完成度達成が不可能だということから、日本に戻ってまいりました。日本で金型を製造する会社とご相談申し上げたところ、2年半かかり、良くはなってくるけど完成にまでまだ道のりがすごくあるというところで、断念をされてしまいました。

その後また他の金型制作事業者の方とやるのですが、最後石川県の石川樹脂工業さんというところと巡り合いました。結果的には最初の取組から6年ほどかかりましたが、そこでようやく物が完成しました。そういったご協力いただいた企業さんがいたという事が私にとって、とてもラッキーでした。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

神楽フィーストという会社は、現在一人でファブレスの形でさせていただいています。私の考え方というのが、本業でやっているシステム会社の方にございます。基本理念が五つある中の最初に「業界におけるオピニオンリーダー的存在を目指す」という言葉がございます。これはどういう事かと申しますと、誰かと競争をして勝ち残るという手は確かにあります。しかし大手さん、資本力があるところがディスカウントするところがやってくるとあっという間に負けてしまう訳です。私どもは創業から独立系でずっとやってきた関係もあり、誰も真似できないことを一から生み出すということをやっております。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

私どもは昭和63年に本業の仕事をやって、一番痛切に思った事は初めてやること、何もやったことないというのは誰にも認識されないし、誰も認めてくれないし、誰も助けてもくれない。しかし、その中で仕事があるという事がどれだけ幸せな事かということです。私は初めてお客さんを取った時の感動って今でも忘れていないし、忘れたくありません。信用というのは私が信用を持っているのではなく、人が信用をしてくれること。人、縁、和。ここのところがあって初めて成り立っているものです。仕事があり、人と縁や和を作ることができて本当に幸せです。それを自分の取り組む仕事で達成できるのであれば、私はとても幸せです。それが私の幸福です。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

「千日の業(ぎょう)をもって鍛とする、 万日の業をもって 錬とする。鍛錬無くして成就なし」この言葉がとても大好きです。何度も何度も繰り返すことによって本当に向き合う大切さを、10年やってやっと一人前になれたかなと思います。このことを忘れないというより、自分が見誤らないようにと思ってやる。それをずっと繰り返して息をするようにそれができるようになって初めて一人前です。そのことを若者のみなさんにぜひ知ってほしいです。大きな夢を諦めない、徹底してやれば素晴らしいものが必ず生まれると私は信じています。みなさんにそうあって、取り組んでいただきたい。そのように思っております。