2022.07.04

Q

数ある企業の中から興味深い事例をピックアップ。そこに隠されたヒントとは?

1. もっともパフォーマンスを出せる環境で働く
オフィス・在宅に関係なく働きやすい環境づくりを会社が用意。上司との1on1ミーティングを週1回実施。コロナ禍でも毎日「オンライン雑談」タイムを設ける

2. 時間ではなく成果で評価
基本的にはコアタイムなしのフレックスタイム制を実施。7:00〜11:00の中で10分単位で出社時間を変更できる「快適出社制度」の導入。社員個人の目標や成果を「見える化」することで、風通しの良い組織づくり。

3. お互いを尊重し感謝しあう文化
クラウド上で「ありがとう」を贈りあえるサンクスカードの導入。感謝の気持ちを「見える化」することで、ウェルビーイング経営をさらに加速。

4.運動や体調管理の観点から新制度を策定する
仕事後のスポーツや定期的な運動セミナーなど、運動をきっかけにウェルビーイングを実現。健康リーダーの設置によって、メンバー同士がお互いの体調の変化に気づくことで、社内コミュニケーションが円滑化。

Q

なぜウェルビーイング経営を取り入れるべきか?

ウェルビーイングの事例をいくつかご紹介しましたが、そもそもなぜウェルビーイングが必要なのでしょうか。もっとも大きな理由としてあげられるのが「リモートワークの増加」です。コロナ禍において各企業がリモートワークを導入しました。

たしかにリモートワークには、在宅時間が増えた分「プライベートが充実しやすい」「満員電車のストレスがない」など多くのメリットがあります。しかしその一方で、「組織に一体感がなくなる」「社員のエンゲージメントが低下する」といったデメリットもあります。これらのデメリットを解消するためにも、個々の健康や多様性を重視しながら、組織としての絆を構築できる「ウェルビーイング経営」が重要なのです。

Q

ウェルビーイングを導入するメリットとは?

社員が健康で幸せな状態であることを表すウェルビーイングですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは「企業」と「社員」の2つの視点から、ウェルビーイングのメリットをご紹介します。まずは企業側のメリットを見ていきましょう。

ウェルビーイング経営によって社員の健康状態が良くなると、欠勤や休職が減り、一人ひとりのモチベーションが上がります。結果として、企業の生産性アップにつながるのです。また個人の健康や幸せを優先することで、「この企業に居続けたい」と思う社員が増え、優秀な人材の流出防止につながります。また社内の人間関係が良好になることで、自分だけでなく「チームのために」と考えられるようになり、会社に対する愛社精神も高まるでしょう。

続いて社員側のメリットを見ていきましょう。社員の身体面・メンタル面が整うことでストレスが軽減され、「社内コミュニケーションが円滑になる」「仕事へのモチベーションが上がる」など、仕事の充実度が高まります。また、仕事が捗ることはプライベートの充実にもつながるため、ワークライフバランスの向上も可能です。社員が今よりも趣味や資格取得、家族との時間を使えるようになり、豊かな人生を送れるようになるでしょう。

Q

ウェルビーイングを構成する5つの要素とは?

ここでは「ウェルビーイングを構成する5つの要素」についてお伝えします。この5つが達成されていると、「ウェルビーイングが実現されている」といえるでしょう。ちなみにウェルビーイングの構成要素については、アメリカのコンサル企業「ギャロップ社」が定義しており、具体的には次の5つです。

1.キャリア ウェルビーイング
2.ソーシャル ウェルビーイング
3.ファイナンシャル ウェルビーイング
4.フィジカル ウェルビーイング
5.コミュニティ ウェルビーイング

1つ目は「キャリア」における幸福です。これは仕事だけでなく子育てや家事、趣味など1日の中で多くの時間を費やしているものを指します。

2つ目は「ソーシャル」。これは人間関係における幸福です。どれだけ愛情や信頼をもって人間関係を構築できるかが重要となります。

3つ目は「ファイナンシャル」、つまり経済的な幸せです。収入を得られる手段をもっているか、資産をしっかりと管理・運用できるかが重要となります。

4つ目は「フィジカル」における幸福です。日常生活において身体的・精神的にポジティブな感情で動けているかどうかで判断します。

5つ目は「コミュニティ」における幸福です。自分が住んでいる地域のコミュニティはもちろん、ソーシャルウェルビーイングにおける身近な関係性、企業でのコミュニティ形成などの意味合いがあります。

この5つが達成されてこそ、「ウェルビーイングが実現されている状態」といえるでしょう。