
現在の仕事に就いた経緯を教えてください。
もともとはデベロッパー関連の企業に勤めており、27歳で退職した後は単身、沖縄へ移住しました。同地では飲食店でのアルバイト勤務から始まり、結果的に県内で飲食店を10店舗ほど経営するまでになりましたが、東京で暮らす家族の事情により事業売却をし、再び東京へ。そこで以前の後輩から声を掛けられ、2012年に海力株式会社へ入社、2017年に代表取締役へ就任したという流れです。
2023.03.06
代表取締役 髙橋孝博
海力株式会社
もともとはデベロッパー関連の企業に勤めており、27歳で退職した後は単身、沖縄へ移住しました。同地では飲食店でのアルバイト勤務から始まり、結果的に県内で飲食店を10店舗ほど経営するまでになりましたが、東京で暮らす家族の事情により事業売却をし、再び東京へ。そこで以前の後輩から声を掛けられ、2012年に海力株式会社へ入社、2017年に代表取締役へ就任したという流れです。
若い頃の私は世間知らずで、自身の実力を勘違いしたまま天狗になっていたような時期がありました。人との会話1つとっても、常に虚勢を張って、大きな口を叩いていたのです。しかし、先輩や社会からお叱りを受けて以降、自分が人生で本当に果たしたい目的とは何なのかを見つめるようになりました。
すると、「自分は立派な社会的地位を得て、相応の収入を必ず得る。今まで支えてくれた家族のためにならなければならない。」という確固たる目的ができ、一時の感情や事象に左右されることがなくなったのです。
それ以来、常に目的をしっかり意識することを大事にしています。事業を行う上では、やはりさまざまな問題や困難が起こりますし、重大な決断を迫られるシーンも往々にしてあります。しかし、その場をとにかく鎮めるためだけの、その場しのぎの言動は、決して自分の望む結果をもたらさないものです。だからこそ、何を目的としてこの発言をするのか、この選択をするのかといった視点が非常に重要だと考えています。
なにより大切なのは、幸せを感じようとする姿勢です。辛い状況下でも、どのような見方をするかで物事の捉え方は大きく変わってきますから、やはり幸福に関しても、常日頃からキャッチできるよう意識を持っておくことが重要でしょう。というのも、会社がいくら手を尽くしても、皆さんを等しく幸せにするのは不可能だからです。
もし全社員の幸福を実現しようとするならば、会社は営業活動そっちのけで終始「ストレスのない環境」を追及し続けなければなりません。しかし弊社が営利団体である以上、それは目指すべき方向ではないのです。
もちろん人間関係のトラブルや、会社への相談事があった際は各責任者が迅速に対処するよう周知徹底していますが、基本的に自分の運命の支配権は自分自身が持つべきだというのが私の考えです。よって、自分自身の幸福を感じ、見つける努力を常に怠らないでほしいと思いますね。
会社としてはおかげさまで創業以来、増収増益を続けている次第で、現在は5年後の上場を目指して、事業拡大を急展開している最中にあります。このフェーズにおいて最も重要なのは、急激な組織・事業改革に対して社員の意識がついてこられるかという点だと思います。
この5年間の中では、関連会社の事業買収等も数社予定しているため、会社の規模が拡大されるにつれ、おそらく人員も増えていくでしょう。
しかしどれだけ組織が大きくなっても、既存社員・新入社員を問わず、私の経営ビジョンや仕事をすることの目的は伝え続けていきたいと思っています。その中で、仕事を通じて幸せになる技術を皆さんに身につけて頂けるような会社であり続けたい、それが私の掲げる大きな目標の1つです。
まだ社会へ出たことのない皆さんにおいては、社会に対して不安も希望もあるのではないでしょうか。私が言えるのは、希望する社会や会社と、実際のものには必ずギャップがあるということです。しかし、その時点で打ちひしがれてしまう人も多いように感じます。そこで、まずそのギャップを乗り越えるために、目的を強く意識して頂きたいと思います。
一説によると、我々人間は困難や苦労には耐えられるのですが、目的や意味の喪失には耐えられないそうです。たとえばマラソンですと、42.195キロというゴールがあるから人は走れます。これが「ゴールはどこだかわからないけど、とりあえず走れ」では、なかなか耐えきれないでしょう。南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ氏は「門がいかに狭かろうと、いかなる罰に苦しめられようと、私は我が運命の支配者、我が魂の指揮官なのだ。」と言われていたそうです。
現代では想像もつかない苦難を味わった氏でさえ、自分の境遇を決して外部のせいにせず、自身の人生を自分でコントロールすることを止めなかったのです。皆さんのこれから歩む道の先には、自分の思い通りにいかないことが当然のように起こります。しかし、そこで不平不満を言っているだけでは幸せになれません。
「社会的地位を勝ち取る」でも「高収入をもらう」でも、なんでも構いません。とにかく目的を見据えて邁進していきましょう。目的が明確であれば、社会で生きることに不安を抱くことがなく、困難にも毅然と立ち向かっていけるはずです。また、皆さんが得たいものを必ず得ることができる。と私は信じています。