2023.05.26

株式会社Inner Resource

代表取締役  澤田英希

株式会社Inner Resource

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

慶應義塾大学大学院理工学研究科を卒業後、新卒でVCに入社し、その後コンサルティング会社や事業会社などを経て、2022年に株式会社Inner Resourceの代表へ就任しました。きっかけは、創業社長の辞任に伴い、株主より次期代表の座を打診されたことです。

私はかねてから、何か社会的意義のあることを行う場合、個人が社会に与えるインパクトよりも、会社組織のそれの方が影響力が非常に大きいのは明白であり、したがって、会社組織を率いる経営者という職に就き、社会に良い影響を与え、より多くの人を幸せにしたいと思っていました。このような経緯もあり、代表を拝命したという流れです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

昨今思うのは、すべての仕事は突き詰めると、「人に何かを伝えること」なのではないかということです。たとえば営業であれば、商品やサービスを相手に伝えることが仕事ですし、経理であれば、数字を手段として株主や取引先に必要な情報を伝えることが仕事です。

したがって、仕事という作業に追われるのではなく、常にその先にいる相手のことを考えて、伝えようという気持ちでアクションすること、この姿勢が重要なのではないかと強く感じています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

幸福とは何かと考えたとき、その最小単位は自分自身だと思います。皆が幸せになっていれば当然理想的なのですが、その発端はやはり自分です。では自分にとって幸せとは何かといえば、それは自分が自分を認められている状態を指すのではいでしょうか。

「幸福」というテーマになるとどうも、「自分は本当に幸せなのかな」「人の幸せとは違うんじゃないか」と考え込んでしまう人が多いようですが、私からすると幸福に正しいも間違いもなく、いっそ勘違いでもまったく問題ないと思っています。むしろ勘違いであっても、今の自分のことを認められている状態そのものが幸福だからです。

会社単位でいえば、私達は研究者を支援する事業を展開しています。世の中の多くの課題、たとえば食糧危機や天災など、人の命を奪ったり経済を悪化させたりする要因を改善するためには、多くの場合でテクノロジーが有効です。よって、そのテクノロジーを生み出している研究者の方々のサポートを弊社のミッションとすることで、世の中に必要とされている技術が実装され、社会がよりよい形になっていくことが、事業を営む上での幸福と言えます。

Q

今後の目標について教えてください。

積極的に事業や会社を拡大していくというよりは、周囲のあらゆる期待に丁寧に応えていきたいと思っています。この激動の時代においてベンチャーとして邁進していくためには、大手の数倍以上、積極的に自身や会社を革新していく必要があり、それはともすれば過去の自分や慣例を否定しなければいけない厳しさを伴いますが、そのスピード感がなければこの社会で生き残ってはいけません。

今後とも時代に取り残されることのないよう日々進化を遂げながら、経営者として、お客様のことはもちろん、社員、株主様など、ステークホルダー皆さんの期待に応えられる会社であり続けたいと思います。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

私自身、社会人になって15年が経ちます。振り返ると、いつも何かに追いかけられるような切迫感に苦しんでいたような気がするのですが、実のところはそれを含めずっと幸福だったのではないかと思っています。「苦しい」「辛い」というとどうしてもネガティブなことと捉えられがちですが、その中にも必ず幸せはあります。

ですから、幸せはどこかへ探しにいくものではなく、今ここにあるものだと悟ること。そして、今の自分のありのままを認めてあげることが、幸福になるための答えなのではないかと思います。少しでも、今何かを悩んでいる人のヒントになれば幸いです。