2023.04.10

株式会社美東電子

代表取締役 前田 健

株式会社美東電子

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

大学を卒業後は水道業者から飲食業までさまざまな仕事を経験しました。その後、もともと祖父が創業した美東電子よりタイミングよく入社のオファーを貰い、弊社へ参加。まずは一般社員として現場で3年ほど経験し、その後管理職、取締役と順に役職を経験していきました。

その半年後に先代にあたるおじが脳梗塞で倒れ、とても現場に戻れない状態になると、当時取締役であった私と、取締役副社長であった父のどちらが代表を継ぐかという話し合いがもたれました。当初はやはり副社長がそのまま社長になるのが筋だということになったものの、年齢的にも健康的にも懸念があるとのことで最終的に私が代表へ就任した次第です。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

一般的な勤め人であれば、仕事は1日の3分の1の時間を費やすほどのものです。よって、どんな仕事でも作業でも「これは何の意味があってしていることなのか」と、仕事の価値を見出していくことが重要だと考えています。

その先で仕事を好きになれれば、おのずと成長スピードは高まり、会社や社会の役に立てるようになり、それは報酬面を含めた評価に繋がっていくでしょう。すると、仕事を通じて自分の存在意義を示すことができますから、より仕事が好きになるという良いサイクルが生まれるはずです。

企業の経営理念というのも結局は「何のためにこの会社があるのか」を示したものですから、経営者の立場としては、その理念浸透をいかに図れるかということも重視しています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

人は基本的に幸せになるために生きているのだと私は思っています。では幸せとはどのような状態を指すのかといえば、主に次の5つの条件が満たされていることではないでしょうか。

1つ目は、健康状態が良好で、いつでも自分の思うように動けること。
2つ目は、仲間達や家族など、大切と思える人達との関わりがあること。
3つ目は、仕事等で成果を発揮できており、社会的に自分の存在価値が認められていること。
4つ目は、金銭的に不自由がないこと。
5つ目は、自分の好きなことに費やせるような自由な時間があること。

このうちのどれか1つが突出すれば、または損なわれればどこかに不具合が生じるでしょう。よって、やはりこの5つのバランスを保ちながら日々過ごしていくことが、幸福な人生に繋がるのではと思います。

Q

今後の目標について教えてください。

これまで製造業を主軸事業としてきた弊社ですが、常に市場の状況に左右される不安定さが往年の懸念点でもありました。そして会社が存続するためには、流れが変わるのを待つのではなく、自分達の努力次第でできるコト・モノを引っ張ってくることが重要なのではないかと思い至ったのです。

そこで新しく始めたのが、美祢市の第3セクターの施設を利用した加工品の製造・販売事業です。これまでは生の食品の製造・販売に特化していたため、消費期限の関係などで販路が非常に限られていたのですが、今後加工品の販売が可能となれば、県外の大都市にも弊社の商品を流通できるようになります。

そうとなれば営業のしがいもありますから、今後の展望が大きく開けることを期待しているところです。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

今の世の中は非常に多くの仕事に溢れていますので、いろいろ試してみるのはいいことだと思います。ただし、大切なのは1ヶ所1ヶ所でその職種に対してまずは興味を持ってみることです。

好きになれるかどうかは別としても「どうしてこういう仕事をするのだろう?」「この仕事はどんな人の役に立っているのだろう?」と観察することで、その場その場の情報の価値はまったく変わってくるでしょう。

世の中で起きていることはすべて情報なのですから、あとは捉え方を前向きに保つことでどんどんチャレンジもできると思いますし、それによって自己成長も遂げられると思います。