2023.04.10

株式会社東京濾器山村製作所

代表取締役 山村孝幸

株式会社東京濾器山村製作所

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

弊社は私の高祖父によって昭和46年に創業されました。2代目である祖父には3兄弟の子がおり、祖父は長男に経営を、次男に営業を、末っ子には技術的な部分を任せるつもりで事業承継計画を立てていたようです。

しかし不幸なことに長男は若くして他界、次男は婿養子に出てしまい、そこで白羽の矢が立ったのが末っ子にあたる私の父でした。父が3代目を引き継いだ後は、弊社の大得意様である企業にて3年ほどの修行を終えた私が弊社に入社し、ちょうど10年前に代表へ就任したという流れです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

もともと弊社は取引先が1社しかない会社だったのですが、私の代になって以降はそれでも生き残っていけないということで取引先を少しずつ拡大していきました。

その際の営業を行うときに心がけている点は、仕事をくださいといった営業をするのではなく、お客様のお困りごとを伺い、その点について弊社ならどう改善できるかという技術的な提案をすることです。これは私自身が技術畑で仕事をしてきた経験値があるゆえの強みかもしれません。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

社員の幸せは、会社を大きくしていくのに欠かせない要素です。では肝心の社員は何を求めているのかと考えると、それは何よりも自分の時間ではないでしょうか。よって残業時間を含め、できるだけ会社の拘束時間を減らしてあげられれば、皆が個々の時間をゆっくり楽しめるようになり、また仕事にもより身が入るのではないかと考えています。

そのためには、少ない時間で利益率を上げるという生産能力の向上が必須であり、まさにそれは現在弊社が注力している点です。具体的には、たとえば10人の人手を必要とする工程を3~4人で済ませるようにDX化を推進し、我々が汗水を流して仕事をするよりは機械を上手く働かせるためのオペレーティングに終始するという作業環境を想定しています。

当然社員の幸せのためということもありますが、今後の労働人口減少問題を視野に入れると、会社全体にとっても有益な取り組みになると考えています。

Q

今後の目標について教えてください。

製造業はまだまだ人海戦術で業務を進めておられる企業も多く、それがコストを圧迫する大きな原因となっています。そこで弊社がなすべきことは、技術的な提案力を強みとする営業を引き続き行い、いかにすれば自動化ができるかという解決策を伝えていくことではないかと考えます。

また、弊社は主に自動車関係の機能部品製造に従事しているのですが、今回のコロナ禍において甚大なダメージを受けたことで、複数の分野に手を広げておくことの大切さを学びました。よって今後は家電や住設備関連などにもジャンルを広げつつ、引き続き機械化を推進していきたいと思います。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

仕事はお金を稼ぐ手段としても、1日の多くの時間を拘束されるものという点でも非常に重要なものです。もし仕事がつまらなければ、人生のほとんどがつまらないといったことにもなりかねないでしょう。するとやはり、仕事はモチベーションの上がるようなものが理想的です。ではどのような心構えで仕事に臨めばいいのかというと、仕事の場を「頭と体を使って自分のスキルや能力を上げる場」と捉えればいいのではないでしょうか。

一旦社会に出てしまうと、人に叱られたり指摘されたりということは仕事以外にほとんどありません。それはつまり、仕事以外の場で自己を成長させられるチャンスはほぼないということになります。そう考えると自分の仕事にも張り合いが出てくるのではないでしょうか。

誰しもが仕事を楽しいと常に思うことは難しいものですが、せめて仕事に対する捉え方を変えてみる、また自分の能力やスキルを鍛えてもらえるような会社に属すことで、仕事を続けやすくなると思いますし、また自分自身の力も高められると思います。そうすれば、プライベートの時間もより充実したものになっていくのではないでしょうか。