2022.07.01

株式会社佐川商店

代表取締役 佐川浩一

株式会社佐川商店

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

物心ついた頃から、いずれは会社の跡を継ぐと思いながら育ってきました。大学卒業後はまず取引先様の企業に入社し、3年間営業職を経験。会社へ戻って来たのは昭和61年、私が25歳のことで、社長に就任したのは40歳を過ぎた頃ですね。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

私は4代目社長ということもあり、会社経営を駅伝のようなものと捉えています。創業社長から脈々と受け継がれてきた弊社のビジネスを、よりよい形で5代目に継承したいのです。会社経営者というと、若い頃は周囲から羨ましがられたりもしましたが、今となると同級生のサラリーマン達はみんな悠々自適に生活しています。

一方、私のような立場の人間が同じような暮らしをするわけにはいきません。後世のために、会社を良くすることを常に考えなければいけないからです。どちらが良いという話ではありませんが、なかなか骨の折れる仕事ではありますね。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

幸せについては、人それぞれ違った考えがあるかと思います。健康で、生活に困らなくて、穏やかに暮らせることが幸せと考える人もいれば、人と争ってでも、より多くのものを得られる方が幸せと考える人もいるでしょう。個人の幸せで考えるなら、私は前者のタイプですね。

会社の幸せとなると、やはり社員達に安心・安全に働いてもらうことです。弊社の経営理念の1つに「私たちは、地域のお客様に安全安心な産業資材を安定的に供給し続けるお店を目指します」というものがあります。
これを「社員に安全安心な職場環境を安定的に供給し続けるお店を目指します」と変えると、社員に照準を合わせた理念になります。これこそが、会社全体の幸せのために、私が皆に提供できることだと思っています。

Q

今後の目標について教えてください。

会社が幸せであるためには、経営の安定が欠かせません。そのために「地域一番店であり続ける」ということは常に弊社のビジョンにあります。同業他社が3社あったとしても、弊社がお客様から評価を得られていれば、また新たな人を呼び、仕入れ量が増えたり、メーカーから支援も受けられたりもするでしょう。目指す目標は会社によってさまざまだと思いますが、弊社の場合はやはり地域のトップ企業として、長く愛される企業として歩んでいきたいと思っています。

また、そのためには各個人の人間的な姿勢も重要となるでしょう。弊社の経営理念の1つで「私たちは、お客様のお役に立つことで、信頼される人格を形成します。」というものがあります。どういうことかというと、「ものが売れる人」というのはお客様から信頼される人なんですね。もう一つに、「私たちは、仕事を通して、地域産業の発展に貢献します」というものがあります。仕事を通じて真に地域に貢献しようとする人が、よりよい成果を出せるということです。このことを、社員一丸となって実践できれば、会社全体が地域のお役に立てる存在になれるのではないかと思います。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

幸せは、成長を遂げた人間こそが掴めるものです。ですから、ゆっくりでいいので、常に人間的な成長を意識して歩んで頂きたいなと思います。人間的な成長とはつまり、いかに人の役に立てる人間になるかということです。

そもそも企業とは、お役に立つから存在できるわけで、それは個人においてもなんら変わりません。裏をかくようなずるい方向へ進むことは簡単ですが、そうではなく、実直に成長することを目指して頂きたいと思います。