2023.03.28

株式会社フェリックス

代表取締役 川原 弘行

株式会社フェリックス

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

2000年~2005年のITバブルの時期にプログラマーとして従事していました。当時は9時~25時まで働くといったようなことが当たり前にまかり通っており、私自身も疑問に感じないレベルだったのですが、多忙な環境下のせいでソフトウェア開発というものづくりの喜びが失われてしまうことだけは納得がいきませんでした。

当時は、苦労したものを納品した直後ですら、その喜びを噛みしめる間もなく次の仕事に取りかからなければいけないような状態が続いたからです。そこで、ごく小さな規模でも働くことの楽しさ、ものを作ることの喜びを味わえる会社を作りたいと、2005年に弊社を立ち上げた次第です。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

会社においては、中の人達が楽しく働けることが最も大切だと思っています。では「楽しく働く」の定義は何かといえば、それは日々成長している実感を得られるような、チャレンジングな仕事をし続けられることだと私は捉えています。その取り組みの一環として弊社で行っているのが、入社3年目までは常に新しい言語を学ばせるということです。

基本的にソフトウェアの仕事は、同じ言語を繰り返して使えば使うほど上達していくものなのですが、私達はあえて「うまくいく仕事」よりも、「日々新しい発見がある仕事」を優先させています。それはやはり、チャレンジングな姿勢を仕事上で失ってほしくないからです。経営者としては、他にも「楽しく働ける環境」というものを皆に提供、維持するためにはどんな戦略があるだろうかと常に考えながらハンドリングしています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

幸福とは何かと考えると、それはシンプルに笑っている状態だと私は考えます。しかし1人で感じる幸福感は、得てして独りよがりになりがちです。よって幸福経営を追及する上では、社内全体で、もしくはステークホルダー全体で、より多くの方々と幸せになるということが大事だと思っています。

その大事なことを実践するためのステップとして私が社内でもよく話すのは、1つ先の人を幸せにするということです。たとえばお客様がBtoCのビジネスをされているのならば、私達は取引先の担当者の方ではなく、その先のCの方を笑顔にしなければなりません。もし社員から「家庭の事情でリモートワークがしたいです」という要望があった際は、その当人ではなく、そのご家族のことを幸せにできるなら承認するという形式を取ります。

エンジニア集団である私達が、周りの人と共に喜び合える幸福を実現するためには、このような意識をもってギャップを埋めることが重要ではないかと思うのです。

Q

今後の目標について教えてください。

会社としての大きな目標は特にないのですが、停滞することなく経済成長していくことは1つ大事なことだと思っています。また、現在在籍している社員達については、会社にそこそこの満足感を持ちながら働いて頂けていると思っていますし、たとえ退職していった方であっても、フェリックスという器が好きだと言ってくださる方も多く、創業にかけた思いはある程度達成されたのではないかという自負があります。

しかし一方で、「フェリックスにいることが自慢です」というレベルにまではまだほど遠いという現実も認めています。今後は我々の存在意義、仕事の価値をより客観視して社会に届けていけるよう努め、皆が誇りに思える組織づくりを追及していきたいということが、今の率直な思いです。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

まずはがむしゃらに頑張ってください。何事も、初心者は没頭する以外に上達法はありませんから、とにかく没頭して頂きたいです。ではなぜ没頭して頑張った方がいいのかというと、社会人になって自分のできることが増えることは、これ以上にない面白いゲームだからです。

ですからその面白いゲームを存分に堪能できるように、今は頑張ってできることを増やしていってください。