2023.03.01

株式会社ネクスト

代表取締役 中神行敏

株式会社ネクスト

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

幼い頃から自然に親しむことが好きで、特に住んでいた場所が海に近かったこともあり、海には強い興味を抱いていました。水産学校を卒業後は、新卒で文部省(現・文部科学省)に入省し、約5年間海洋調査に従事しました。退官後、第3セクターの総合ポートサービス株式会社からお声掛け頂いたことをきっかけに地元に戻り、約23年間港湾実務に携わりました。その後、今度は愛知海運産業株式会社からヘッドハッティングを受け、役員として約7年間従事しましたが、2020年7月をもって退職。もともと起業願望があったこともあり、年齢等の問題を考えると、やるなら今だと感じたためです。

しかし知人からスタートアップよりも、M&Aした方が事業展開もスムーズなのではないかとのアドバイスを受け、こちらの株式会社ネクストを2021年9月に取得させて頂いた次第です。ネクストを選んだ決め手は、同社が30年間にわたりカーボン事業を行っていたことでした。私がかねてから興味を抱いていた再生可能事業と非常に親和性が高いのではないかと感じたのです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

よく言っているのは「初志貫徹」です。私が海洋調査や港湾実務、そして現在、カーボン事業や再生可能エネルギー事業に力を入れているのも、幼い頃に慣れ親しんだ海が原点となっています。最初は船乗りになりたいと思ったものでしたが、美しい海が日に日に汚れていく様を目にしたことで、海洋調査に従事できる文部省へと進路を決めました。その後も環境のために貢献したいという思いは変わらず現在に至っています。

このように人生をかけて貫き通したいと思える生きがいを持てること、そしてそこにやりがいを感じられることは非常に幸せだと思いますし、スタッフ達にもぜひ同様の原動力を獲得してもらいたいと思っています。その皆の想いに寄り添いながら共に初志貫徹を目指すことが、私の役目ではないかと思うのです。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

幸福とは、心が満たされる状態を指すものだと思いますが、その条件は人によって異なります。だからこそ、皆が思い思いの幸福を見つけられるように、そして実現できるようにチャンスを与えてあげることが経営者である私にとっての幸福です。

それは金銭的なものもそうですし、仕事上の意欲や新たなことにチャレンジできる機会も含まれるでしょう。そのチャンスを受けて社員がより頑張ろうと意欲を持ち、自分の思う幸せを実現してくれるのならば、こんなに素晴らしいことはないと思います。

Q

今後の目標について教えてください。

今後とも、カーボン事業と再生可能エネルギー事業を融合させることで、世の中の環境負荷を減らし、ひいてはSDGsの達成を目指していきたいと思います。すでにさまざまな新規事業に着手してはいますが、キーワードは「鉄からカーボンへ」です。たとえばバイオマス発電や風力発電にかかる機械を鉄からカーボンへ切り替えることで、そもそも鉄を製造する際のカロリーが不要となる上に、軽量化が実現されます。こちらの取り組みは現在、電力会社様とも手を組み、国内外に展開していこうとトライしている最中です。

さらに、この多くの可能性を秘める素材、カーボンを身近な生活にも浸透して頂くべく、各種メディアでの発信活動にもより注力していきたいと思います。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

私はどんなに苦しい世の中であっても、小さな目標を持つことが大変重要だと思っています。願わくば、それが自分さえよければいいといった類のものではなく、隣人を助けるようなことであって頂きたいですね。

その考えが人に広い視野を与え、ひいては物事を考える力となっていくと思います。ぜひ、「自由」と「責任」の両方をきちんと引き受けながら、好きなことを謳歌してください。この多大な可能性を秘めたグローバル社会において、皆さんのように未知なる可能性を持つ方々が目標や夢を胸に行動していけば、必ずや道は拓けると思います。