2022.11.01

株式会社シマブン

代表取締役 島 信英

株式会社シマブン

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

弊社は明治4年に創業、昭和41年に設立され、私が6代目の代表となります。幼い頃から祖父や親戚に「お前が後を継ぐんだぞ」と言われながら育ち、高校生で進路を決める際に両親と話した際も、事業承継のプレッシャーをひしひしと感じました。私自身は設計士になりたいと考えていましたし、外の世界で自分の力を試してみたいという思いもありましたが、代々続く家業を無下にすることもできず、後継者ならではの葛藤を味わいました。大学卒業後は約2年半外の会社で勤務し、その後、弊社に参加したという流れです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

経営者としては、やはり社員の物心両面の幸せを願い、その実現のために事業に取り組むことが最も大きなこだわりです。また社員によく言うのは、「仕事をして帰宅する際に、笑顔で玄関の扉を開けるようにしよう」ということです。仕事ではもちろんさまざまなことがありますが、それで暗い顔をして帰れば、家族は決して笑顔にはなれませんし、子供も仕事や会社に対して、おのずとマイナスイメージを持ってしまうでしょう。したがって家族のためにも、家に帰る際は1日働いた自分のことをまず認め、さまざまなことを一旦クリアにし、愚痴や文句も言わないようにしようと伝えています。裏を返せば、そういう状況を作るためにも、しっかりと仕事に打ち込もうということですね。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

弊社では、社員の入社時に必ず「人生ビジョン」と「仕事ビジョン」の2つのビジョンをヒアリングするようにしています。前者は死ぬまで、後者は定年までを想定し、「何歳(何年)にはこうなっていたい」という希望をそれぞれ書いてもらうのです。なぜなら人生の幸福を実現するために、仕事は切り離せないものであり、また、仕事でスキルアップするためには、適切なキャリアプランを達成していかなければならないからです。しかしこの連動を見逃している人、自分が今どこに立っているのかをわかっていない人は意外に多いと感じます。だからこそ会社が1人1人のビジョンを管理し、ときには面談をして現状の達成度を伝えるようにしてます。ゆくゆくはこのビジョンの達成度と評価制度を関連させた新たな取り組みも行っていきたいと考えています。これもすべて、社員に各々のビジョンを達成し、幸福を実現してほしいからに他なりません。

Q

今後の目標について教えてください。

社内でも共有している直近の目標は、61期を迎える2026年までに世界トップシェアのグレーチングメーカーになることです。それからやはり、お客様の幸せ・喜び・感動を作り出すことで、我々も共に幸福になれるよう努めていくことですね。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

景気の影響もあり、今の若い方々は世の中に対してあまり良いイメージを持っていないかもしれません。しかし1つ覚えておいてほしいのは、会社はみんな若い人達を待っているということです。この「第4次産業革命」と呼ばれる時代には特に、皆さんの力やスキル、知識が不可欠となります。スティーブ・ジョブズしかり、ビル・ゲイツしかり、過去の例を振り返っても、新しいものはすべて若者から生まれてきました。当時の若者の疑問や問題提起がときに「常識外れ」と非難されるような新たな発想を生み、それが次世代のメジャーとなっているのです。さらに、皆さんを待っているのは日本だけではありません。私は仕事で海外のお客様とよく話をしますが、「なぜ日本人は海外に出てこないのか」と頻繁に問われます。彼らは日本人の優秀さをよくわかっているのです。特に東南アジア地域は親日家の人が多く、仕事量も多いため、日本のマーケットが今後収縮の一途を辿ることを考えれば、このようなアジア市場に狙いを定めることも1つの手だと思います。皆さんの活躍の場は無限に広がっていることをぜひ認識して頂き、若者らしい視点や、疑問に感じたことを大切にしながら、どんどんチャレンジしていってください。