2023.03.06

株式会社キャノン・デンタル・ラボラトリー

取締役  佐藤和明

株式会社キャノン・デンタル・ラボラトリー

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

弊社は1975年、私の父によって創業され、私は2代目となります。創業以来、一貫して歯科技工業の一切に携わってきた弊社は、これまでに培ってきたノウハウと最新鋭のデジタル技術を掛け合わせることで、高精度な技工物の低価格化と短納期を実現し、最適なソリューションの提供に努めています。

私は小学生の頃から父が経営者であることを意識していたものの、特に自分からこの仕事をやりたいという気持ちが起こることもなく、学生時代を過ごしていました。歯科業界に触れたのは、高校生の頃に従事した歯科技工のアルバイトくらいでしたが、その後、アルバイトも含めあらゆる職を経験し、最終的に弊社へ落ち着いたという形です。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

会社を運営する限り、健全な労働環境の整備が最重要事項だと思います。というのも、私が入社した当時は、日本のビジネス界全体に根性論重視のスタンスが浸透しきっており、もちろん歯科技工業業界も例外ではありませんでした。私自身、月の半分以上は日曜日も出社し、毎日0時過ぎまで仕事するのが当たり前といった風潮の中で働いてきたのです。今となっては、そんな環境下で精神を病む人が勃発するのは致し方ないことだと思います。

昨今は国側もライフワークバランスを推進していますが、我々は我々で劣悪な労働環境から1つ1つ改善をしての今があります。特に、今やらなければいけない仕事に追われているようなときは絶対に新しいものに関する発想は生まれません。そういう意味でもある程度のゆとりある環境が最優先されるべきだと思います。仕事のやりがいや給与面の条件などは、その次ではないでしょうか。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

非常にシンプルですが、現在20名在籍しているスタッフ達がそれぞれにやりがいのある仕事ができて、満足のいく給与が支給できている状態。なおかつ会社の利益もきちんとあって、新たな開発もできる時間があるということが、私にとっての幸福の形です。

Q

今後の目標について教えてください。

会社としては当然ながら利益を上げ続けなければいけないのですが、そのための手段は歯科技工にとらわれる必要はないというのが、昨今の私の考えです。従来、歯科技工は材料メーカーから提供されたものをベースに製品を作ることになり、それが我々の製品の幅を狭める要因でもありました。

そこで別に会社を設け、製品の材料やシステム、また、加工するための機械やシステムなど、製造に必要な基盤をそもそも自社で作り上げることによって、今後はオンリーワンの製品を作れるような会社を目指していきたいと考えています。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

「できない」と思ってすぐ諦めずに、失敗を重ねて成功に近づいていってください。そのためには、自分自身が現状をきちんと分析して、課題や問題点を洗い出し、どうすれば解決できるのか、トライアンドエラーを繰り返していくしかありません。それも決して他人任せにするのではなく、誰でもない自分自身がやるという意識を強く持つことを忘れないでください。