2023.05.26

株式会社ウィードメディカル

代表取締役 林 誠

株式会社ウィードメディカル

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

臨床検査技師として病院で勤務していたのですが、当時はバブルの後半という時代性もあってか青年実業家が増加していた頃で、私もその影響を受けて27歳で起業しました。しかし医療機器の販売を祖業としてスタートしたものの、現実は甘くなく、取り扱うメーカーすら見つけられない始末。

一方で臨床検査技師の資格を活かして始めたホルター心電図解析の受託業務はご好評を頂き、1人で事業を営むには困らない程度の利益を上げていました。その後、転機となったのは2000年の介護保険制度スタート時に福祉用具のレンタル・販売業と介護保険住宅改修事業に参入したことです。

その1年前にはケアマネージャーの資格を取得し、同時期に資格取得を目指す方々と面識を持てたことで、介護保険がスタートする頃にはすでにケアマネージャーとネットワークが築けていたことが大きかったと思います。その後、またたく間に鳥取県東部では業界ツートップとされるポジションまで登り、現在も福祉用具の自社開発など、介護を中心とした事業を展開しています。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

間口を広くして、とにかくチャレンジしてみることですね。あまりに入口を狭くしてしまうと情報も入ってきませんし、何も経験できません。ですからとりあえず入ってみて少しずつ検討していくというスタイルを取っています。

それから、若い頃と比べると1つ1つの物事にこだわって精査するようになりました。例えば良い結果が出ない場合は、何がダメだったのかを細かく分析するといったことです。その際、全体を見て大枠で「なぜいけないんだろう」と考えてしまうと適格な答えが出にくくなるのですが、部分的に「ここはどうだったか」と分けて考えていくと、原因が見つかりやすくなると感じています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

私の信条は「誰かのためではなく、自分のために生きる」です。これはまさに幸福になる上でも重要なことなのではないかと思っています。他人のために自分を犠牲にすると必ず何らかの歪みが生じますし、私自身、誰かの犠牲の上に立ってまで自分が幸せになりたいとは思いません。

自分のために生きるということは、選択の自由がありますが、失敗しても言い逃れはできません。すなわち、すべて自己責任で生きるということです。このように自己責任で生きるようになると、人は物事がうまくいくよう綿密に計画を立て、慎重に取り組むようになります。すると、当然ながら会社は順調に成長し、結果、会社に関わる皆も幸福になるのです。私はそのように考えています。

Q

今後の目標について教えてください。

福祉用具のレンタル・販売業は主軸事業として今後とも取り組んで参ります。現在、弊社は鳥取に本社、島根、広島、大阪に事業所、さらに神奈川県鎌倉市にグループ会社「K&Kコーポレーション会社」を構えているのですが、今後は東京、千葉、埼玉、それから名古屋や福岡といった主要都市にも事業所を展開していきたいと考えています。

海外進出も中国や台湾、オーストラリア、タイについては既に動き出しており、今後ともチャレンジ精神を忘れず事業拡大に注力していきたい所存です。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

「幸福」についての項でも述べましたが、まずは、他人のために自分を犠牲にしないでください。それから、私は現在、会社経営者という立場に立っていますが、もし私が会社組織にいたとしたら、出世してトップに立つことはできなかっただろうと思っています。それだけ組織の中で自分を磨き、周囲に評価されていくということは大変なことなのです。

起業家だから一概にすごいということはありません。私はむしろ組織で活躍する人こそ尊敬しています。現在会社組織で頑張っている方や今後会社に入られる皆さんはぜひ意欲的に高みを目指し、幸せを勝ち取って頂きたいと思います。