2022.08.31

株式会社きたむら

代表取締役 北村 容子

株式会社きたむら

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

高校卒業後は美容部員として従事していましたが、知人より警備会社を共同経営したいとオファーを貰ったことから、27歳のときに「警備員指導教育責任者」の資格を取得しました。当時の警備業界はほぼ完全な男性社会だったこともあり、会社運営に関してはしばらく及び腰だったのですが、自身が代表に就任してからは従業員および自身の生活がかかっていることを痛感し、必死で事業に取り組んできました。

結果的に、異業種からの参入であっても、女性であっても、子育て中などのハンデがあっても警備業は行えるという実例を体現できたことは、今日、同業他社との差別化に繋がっているかもしれません。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

わからないことはわからないと認め、他者のアドバイスを素直に聞き入れることです。警備業界は異業種から参入される方が多いのですが、警備業という仕事を軽んじているためなのか、人からの指導を素直に受け入れられず、結果リタイアしてしまう人が非常に多いと感じます。
特に年長者ほど年下の上司から指示をされると気を悪くする傾向があり、私もそのような気持ちは理解できますが、自身を高めるためにはやはり他人の力が必要だと思います。

特に現代のようなめまぐるしい時代においては、常に新しい情報を取り入れ、変化に対応していくことが肝要となり、それはすなわち自身が変わることを受け入れるということでもあります。自身は不完全であるという認識を持ち、奢らず腐らずの姿勢を保つことが、成長の伸びしろとなるのではないでしょうか。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

子育てという大きな役目がひと段落した今、人の幸福とは「必要とされること」であると実感しています。子育てを終えた人が、ふと「自分は何のために生きているのか」と考えてしまうのは、自分を必要としていた子供という存在が巣立ったからに違いありません。幸い私の場合は、事業をさせて頂けているという幸福があり、また、コロナ禍においては警備業がエッセンシャルワーカーとして位置づけられたことで、社会から求められる存在として貢献できているという実感が高まり、さらに深く幸せを感じるようになりました。

Q

今後の目標について教えてください。

今後の目標は大きく分けて3つあります。1つ目は、警備業界のイメージ向上に向けた取り組みを行うことです。警備業は他業種よりもどこか1ランク下の仕事というイメージが根強いため、外見の印象から変えるために制服のデザインを一新したり、また、良い人材の採用・定着を目指して社内体制の改善を図ったりと、すでにさまざまな取り組みを行っていますが、今後より注力していきたいと思っています。

2つ目は、女性社員の採用および活用の幅を広げることです。一時と比較すれば、警備業界における女性の比率は増加していますが、今後はより女性に活躍して頂けるよう積極的な採用活動を行い、現場職のみならず管理職、経営職までフィールドを拡大して登用していきたいと考えています。

3つ目は、現場で使用できるグッズの自社開発・販売を行うことです。現場職は季節や天候などによって、非常に過酷な労働環境を強いられます。したがって、足の疲れない靴や、持ち運びできる軽量の椅子など、現場で使えるようなグッズを、機能性だけでなくデザイン性までこだわって開発し、販売していくことを検討しています。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

誰しも、ある一定の年齢になると、若いときにしておけばよかったと思うことが必ず出てきます。それを若いうちに悟ることは難しいのですが、だからこそ恐れずにいろんなチャレンジをして頂きたいと私は思います。よく「物事を始めるのに年齢は関係ない」と言われますが、やはりどんな物事でも、若い頃から積み上げた方が実現できる可能性は飛躍的に高まります。年を経て後悔しないためにも、今のうちから外に出て積極的に視野を広げ、自身が人生を懸けて取り組みたい「何か」を見つけてください。