2023.03.13

服部製紙株式会社

代表取締役社長 服部正和

服部製紙株式会社

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

服部製紙は実家の家業でしたが、私は兄弟で4番目ということもあり、この事業を継ぐ気は毛頭ありませんでした。よって大学卒業後は別の会社に就職したのですが、2代目代表であった父がトイレットペーパーに関する新事業を始めたため、手伝いをするために弊社へ参加しました。その後、大阪支店や東京支店を転々としながら営業社員として売り上げ拡大に励む一方で、会社自体は環境保護に重きを置いた製品に舵を切っていきました。

たとえば皿や鍋に残った油を拭き取るためのキッチンペーパーや、油や残り汁を焼却処理するための廃油処理袋「かたづけポイ」、そして現在にも続くアルカリ電解水関連の商品など、時代の変遷とともに進化を遂げています。その後、平成19年に当時代表であった兄からの事業承継を経て代表へ就任致しました。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

弊社の歴史においてターニングポイントとなったのが、環境問題、特に地球温暖化防止に貢献できるような商品づくりであり、これは今も変わらないこだわりとなっています。地球温暖化防止と聞いて皆さんがイメージされるのは、森林保護の重要性ではないでしょうか。なぜなら植物は光合成にて二酸化炭素を吸収し、酸素を産出してくれるからです。

しかし実際は海の藻やプランクトン、昆布といった海の植物の方が光合成の割合が多いことはあまり知られていません。よって、弊社としては海を極力汚さないことに主眼を置いた商品開発を行っています。そのために重要なアイテムとなっているのがアルカリ電解水です。

アルカリ電解水は油汚れに強いにも関わらず、石油由来の合成界面活性剤を一切含まないため、人にも環境にも優しいという特徴があります。弊社では約20年前に商品を開発して以来、現在も年間約2,400万個を納入する代表的商品となっています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

弊社では現在約170名の社員がいますが、その後ろに控えているご家族のことを考えれば、全社員300名程度と捉えていいでしょう。と言いますのも、幸福経営と聞いてまず浮かんでくるのが、社員およびご家族の生活を守りたいという思いだからです。ですから報酬面においても、せめて周りと比べればよくもらっている方だという一定レベルを常に満たしていたいものです。

そして、やはり社員達に「我々の仕事が社会貢献の一助になっている」という実感を深めてもらえるような事業を行っていかなければと思っています。そうすれば、日々の何気ない業務でさえも意義があるという風にやりがいを感じ、それは幸福感にも繋がっていくのではないでしょうか。

Q

今後の目標について教えてください。

過去、アメリカで開催された展示会にアルカリ電解水クリーナーをしばらく出展し続けていた時期があります。品質に関しては先方のバイヤー陣からもお墨付きだったものの、大容量のボトルタイプクリーナーが主流だった当時のアメリカ市場では、弊社の商品の形状がなかなか受け入れられないだろうということで泣く泣く撤退しました。

しかし2021年に新工場を竣工し、海外向けの商品を改めて開発しているところです。海外マーケットに弊社の商品が流通されれば、環境問題改善の一助になるでしょうし、社員達のモチベーション向上にも繋がると信じています。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

転職はキャリアアップを図る上で当たり前の手段となりつつありますが、昨今の人手不足は、さらにその傾向を加速させていくのではないでしょうか。しかしいまや会社のHPであらゆる情報が閲覧できる時代にあって、その企業理念やコンセプトが自身の目指す方向にマッチしているかどうか擦り合わせもせずに、入退社を繰り返すのはいかがなものかと思います。

ぜひ今のうちに自身の目指す方向性を見出し、その道を追求するためにふさわしい企業はどこなのか、そのような視点を持って十分に検討した上で就職活動に臨んで頂きたいものです。