
現在の仕事に就いた経緯を教えてください。
もともとは広告会社にて勤めており、代表取締役を務めるまでに至りましたが、経営不振によって倒産してしまったことから地元の岡山へ戻りました。
そこで当時私の叔父が経営していたオフィスセイワに入社。ちょうど新規事業としてビル・メンテナンス業を開始することとなり、私は営業職から経験を積んでいきました。その後、叔父の逝去をもって取締役に就任した次第です。
2023.05.09
代表取締役 水原好行
有限会社オフィスセイワ
もともとは広告会社にて勤めており、代表取締役を務めるまでに至りましたが、経営不振によって倒産してしまったことから地元の岡山へ戻りました。
そこで当時私の叔父が経営していたオフィスセイワに入社。ちょうど新規事業としてビル・メンテナンス業を開始することとなり、私は営業職から経験を積んでいきました。その後、叔父の逝去をもって取締役に就任した次第です。
いかにお客様に喜んで頂けるか、に尽きます。私は前職にて会社の倒産を経験し、さまざまな負債を抱えてしまったことで夜逃げ同然の生活をしていた時期がありました。
しかしそんな状況においても当時のお客様から「あなたに頼みたいから」ということでわざわざ発注のお電話を頂き、精神的に大変救われたことがあります。
したがって、当時のお客様への贖罪の意味も込めて顧客サービスを常に柱に据えているのです。心血を注いで仕事をしていれば必ずお客様の方から選んで頂ける会社になれると思っていますし、なおかつ何かご依頼を頂いたときには常に期待に応えられる会社でありたいものです。
昨年、大動脈解離を患い一命はとりとめたものの、半年ほど入院していた時期がありました。普段は日々の忙しさに追われてがむしゃらに働いているばかりですが、そのときには改めて「幸福とは何だろうか」と考えました。
というのも、清掃業は弊社も含め若い世代がなかなか定着しない業界なのですが、その病院では比較的若い世代の方が清掃の仕事にあたっていて、弊社にもまだまだやれることはあるのではないかという気持ちになったためです。人手不足をしのぐために外国人雇用を図るのも1つの方法ではありますが、やはり日本の若い方に参入してもらわない限り会社も業界も未来はないでしょう。
そのためにも、やはり働く人が十分な収入を得て豊かになれる、仕事にやりがいを感じて楽しいと思える、そんな「幸福」を享受できる会社づくりを代表である私自身が率先して行わなくてはならないと決意を新たにしました。いわば大規模な構造改革を行うのですから、相当な時間も費用もかかるとは思いますが、そのような方向へ舵を切っていきたいというのが今の率直な思いです。
清掃業はそもそも賃金が低く、その点が業界の最大のネックだと捉えています。しかし「だから仕方ない」と白旗を揚げるのではなく、一定の仕事をすれば十分な収入を得られるという体系を作っていくことが直近の課題です。
既存メンバー達にもそのような展望を伝えた上でまずは新たな土壌作りに努めていきます。そして若い世代に一定の給料で来てもらい、今後どのようなビジョンを持てる業界なのか示しながら中長期的に理想の会社へと転換を図っていきたい所存です。
清掃業は今の若い方々からすると「年配者がする仕事」「汚れ仕事」というイメージがあるのではないでしょうか。しかし仏道の僧侶が掃除を通じて修行を行うように、住環境を綺麗にすることは本来、非常に意義とやりがいのある仕事です。
スキルを極めていけばできる仕事も増えていきますし、さまざまな建築物にも携わっていくことができます。またなによりも、清掃業を他人事だと捉えている方々には、自分達の住む空間を自分達で管理・運営することの重要性をぜひ理解して頂きたいと思うのです。
業界全体に変革を起こすことは難しいかもしれませんが、せめて弊社だけでも皆さんが希望を持てるビジョンを実現していきたいと考えていますので、今後社会に出られる方はぜひ頭の片隅にでも清掃業という選択肢を置いておいてください。