2023.03.08

サイショウ・エクスプレス株式会社

代表取締役 齋藤敦士

サイショウ・エクスプレス株式会社

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

学生時代はゴルフに打ち込んでおり、プロゴルファーもしくはインストラクターを志していました。しかし十分な収入を得るにはなかなか厳しいのではないかと感じ始め、将来は家庭を持って安定した暮らしを送りたいと思っていた私は、実家の家業であるサイショウ・エクスプレスの事業承継について検討するようになったのです。

そこで弊社に入社する前に、修業として大手の運送会社で学びを深めようと佐川急便に入社、約2年半セールスドライバーとして従事し、弊社に入った後はドライバーから管理職、専務と順に経験を重ねていきました。2020年には先代である父と社長交代をする予定だったものの、当時はコロナ禍のダメージを受けて創業以来の窮地に陥っていたため、一旦は様子を見ることに。2021年になってだんだんと状況が落ち着いてきたことから2月に代表に就任した次第です。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

3代目である私の役目は、創業者である祖父が築いた土台と、父がその上に積み重ねてきたものをブラッシュアップすること、つまり伝統を残しつつも進化し続けることだと捉えています。その点を語る上で欠かせないのが、健康経営に関するさまざまな取り組みです。実は8年前、経理とドライバー達の健康管理を担っていた母が急逝し、さらにドライバー達の大きな病気が続くなど、健康について深く考えさせられた時期がありました。

そこで会社をあげて健康経営に乗り出すことを決意し、「健康寿命をのばそう!アワード」にて厚生労働大臣賞を受賞、また康経営優良法人「ブライト500」に3年連続で認定され、さまざまなメディアにも取り上げていただくなど、健康経営を通じて新たな可能性が開いていきました。

健康経営によって生まれた成果は、社員の健康や快適な労働環境だけでなく、「健康経営を軸にしてさまざまな新しい取り組みをできていること」ではないかと思います。要は会社自身が新しいことへチャレンジし続けることによって、社員間でもチャレンジ精神が芽生えやすくなったように感じるのです。健康経営は本来、社員の健康投資を目的とするものですが、決してそれだけではなく、社内の雰囲気や社員達の士気も含めて、会社を良い状態で長く存続させるための戦略の1つではないかと最近は思っています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

幸福とは「普通であること」ではないかと思います。身内の不幸を経験している私だからこそ思うことなのかもしれませんが、普通に仕事ができる、普通に食べられる、普通に寝られることは当たり前のようでいて、非常にかけがえのないものです。

今この瞬間も、違う国では想像もつかないような事態がさまざまに起きていること考えれば、日本人でいられること自体も幸福なのではないでしょうか。弊社の健康経営において掲げている毎月のテーマも、「身なりを整えよう」「挨拶を徹底しよう」といったごく当たり前のことばかりなのですが、やはり日常を大切にすることの延長線上に幸福はある、私はそんな気がしてなりません。

Q

今後の目標について教えてください。

事業規模をただ拡大していくというよりは、中身の詰まった会社を目指していきたいです。満足できる給料や十分な休暇を提供することで、当社で働いてよかったと思ってもらえる会社、そして働きがいがある会社として、100年企業を目指していきたいと思っています。

そのためにはお客様サービス向上や人材育成、よりよい職場づくりの追求など課題はいくつもあるのですが、なんとか1つずつクリアし、運送業界における一流企業として名をあげられるよう今後とも邁進していきます。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

人を見ていて思うのは、何事も一生懸命な人は周囲から応援され、人に囲まれていることが多いなということです。皆さんにも、好きなことでも何でもいいので、一生懸命に集中してやり切るということを大切にしてほしいと思います。