2022.07.01

オオサカヤ

代表取締役 瀧本 真

オオサカヤ

Q

現在の仕事に就いた経緯を教えてください。

母が創業した会社で従業員も多かったので継ぐつもりはなく、まったく関係のない別の業界の会社でサラリーマン生活をしていました。 ある時彼らから後継ぎとして兄か私のどちらかに来てほしいという話が出て、兄が断ったために逃げられなくなって覚悟を決めたというのが真相です。 ただ、別の業界にいてアパレルのことはまったく勉強したこともなかったので、入社してからのギャップは予想以上に大きかったです。

Q

仕事へのこだわり、
新人時代からどういう仕事観を築いてきたのか

社会人になった新人研修の時にある先輩から「常になぜそうしたかが説明できる仕事をしなさい」と言われたことがベースになっています。 わが社は現在子供服の小売販売とベビー服のメーカーの2つの事業がありますが、共通するのは子供の心身両面から健やかな成長をサポートをすることによって豊かな未来につなげていくというポリシーです。

小売事業が「お気に入りの服はいつか素敵な思い出にかわる」、メーカー事業が「世界一のきもちいい。をめざして」とそれぞれのコピーは、私たちがすべきことを判断できるツールとして私が作りました。 若いスタッフや仕事上お会いする様々な方に説明できるようにすることが年齢を重ねるごとに重要であるということは増してくるので、30年以上たった今でも大切なことだと実感しています。

Q

「幸福」や「幸せ」について、社長ご自身のお考えや、
感じることはありますでしょうか?

仕事についていえば改善したいと思うことはあっても違う仕事の方がよかったと思うことはないので、結果的に今はそこそこ幸せなのではないかと思います。人それぞれ幸せの基準は別かもしれませんが、やるべきことが見えて進んでいく実感があることで仕事への満足感が高まって、子往復度につながっていくのではないかと思います。 例えばわが社で現在生産しているベビー服についていえば、ライバル商品に比べてふれたときにずっときもちいいと自負しています。

また、重さも実際に計量してみるとうちの方が2~3割軽いから、この面ではちょっと進んでいるかな、と思いますので、小さい規模なので大したことではないですが、赤ちゃんやママにちょっとした幸せを届けて いると思います。 1つ1つの小さな幸せが毎日積み重なって続いていくことの方が、1回の大きな幸せより、心がより幸せではないでしょうか。

Q

今後の目標について教えてください。

先に述べたように、ベビー服メーカーとしては様々な小さな改善や新しい工夫を続けていますので、周りの環境の変化や新しい技術の進化によって今まだできないことも実現していけることが増えてくるのではないかと考えています。 いろいろな方にわが社の事業についてご説明するときには、家を建てる時に例えて基礎部分を固める時のようなものとお伝えしています。

基礎作りで「手を抜くとどんなに内装やインテリアを工夫しても不安定な状態になってしまいます。赤ちゃんの時期も同じで短い期間だから大した違いではないと手を抜かずに、一生を決める大切な時期として、よりレベルアップした製品を作っていきたいと考えています。家と違って赤ちゃんの一生はやり直しがきかないですからね。

Q

最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

若い人、まだ20代前半くらいならまず行動を起こしてみることをお勧めします。この時期は成功も失敗も将来につながる経験という財産になりますから。質より量が重要ではないでしょうか。 私は20代半ばごろに聞いた大先輩のお話の中から、「1つのことは常に100回考える」というポリシーを続けています。社会に出ると答えは常に1つではなくいくつもありますし、正解ももちろん1つではないです。

また、別々のことがつながることで最初は正解だったものが逆になることもあります。そういった判断力を身につけるには経験値が必要です。100回考えることを100回すれば1万回ですので毎回10回しか考えない人とは9000回の差がつきます。長い人生の中ではとてつもなく大きな違いになってくるのではないかと思います。